設立からの経緯
自社開発・オープンイノベーションの拠点として
菊池製作所は1970年に創業。時計、カメラ、携帯電話など日本のものづくりが躍進する中、お客様である最終製品メーカーのニーズに沿って最新技術を取り入れ、技術の幅を積極的に拡大しながら大きな成長を遂げてきました。
しかし、今後の企業成長のために新しい収益の柱を育てる必要があるとの想いから、1990年代に入ると自社技術によるオリジナル製品開発の取り組みを開始しました。また同時に、産学官連携による外部シード技術の活用にも乗り出し、東京工科大学との共同研究をスタートさせました。
2006年には一柳健(当時は東京工科大学名誉教授)を所長に迎え、研究開発拠点として「ものづくりメカトロ研究所」(以下、メカトロ研究所)を開設しました。以降、新製品開発、新技術導入に向けた活動を本格化させ、自社開発製品の事業化を進めるとともに、産学官連携のネットワークも積極的に拡大してまいりました。
大学との共同研究および
研究開発連携
大分類 | 詳細分類 | 人数 | 大学数 |
---|---|---|---|
ロボット | ロボット工学一般 | 6 | 5 |
知能 制御 | 2 | 2 | |
機器要素、機構学 精密 | 7 | 6 | |
ロボットシステムHUMANOID | 4 | 3 | |
福祉ロボット | 7 | 6 | |
医学 医療 | 医学 手術 | 7 | 4 |
ME, HUMAN CARE | 4 | 2 | |
生体計測、生体情報 | 2 | 2 | |
産業情報制御システム | 産学連携 | 3 | 2 |
放射線、減容 | 3 | 3 | |
DRONE | 3 | 3 | |
材料、アルミダイカスト | 3 | 0 | |
流体機器 | 3 | 3 | |
電磁デバイス、モータ | 3 | 3 | |
画像情報 | 2 | 1 | |
新産業創出 | 2 | 2 | |
61名 | 47大学 |
自社開発製品の例
製品名 | 内 容 |
---|---|
6軸パラレルリンク | 6つのアクチュエータが並列(パラレル)に固定配置されたステージを、任意の3次元空間上のポイントに高精度に位置決めすることが可能な原理です。ロボットアームの制御に応用されてきました。当社は、この原理を応用して、パイプを3次元的に曲げることが可能なパイプベンダーや高精度の位置決め装置を開発しています。パイプベンダーでは専用の金型を製作することで、丸パイプだけでなく、四角、長方形、凹凸などの様々な異形パイプを曲げることを実現しました。 |
メタルマイクロポンプ (MMP) |
ステンレス薄膜を材料とした微少な流体を扱う超小型のポンプです。粘度の異なる液体、気体の搬送が可能で、ステンレスを材料としているため、従来のシリコンウェハを用いたポンプと比べ安価に製造することができます。本メタルマイクロポンプは、主に医療機器や燃料電池などキーデバイスとしての応用が期待されるほか、ロボットやウェアラブルユニットへの応用も検討されています。また、環境・エネルギー・医療というキーワードに沿った興味深い技術開発であり、多様な市場への期待をよせられています。 |
ホットチャンバー式アルミダイキャスト (アルミホットチャンバー) |
従来のアルミダイカスト(コールドチャンバー式アルミダイカスト)では不可能であった純アルミの鋳造を可能とした革新的な技術です。純アルミ材を用いることにより熱伝導率が向上し、従来のアルミダイカストに比べ単位面積当たりの放熱性が向上します。また、表面処理が容易になりコスト削減に寄与するとともに、ホットチャンバー式の特徴である低圧力鋳造により精密・薄肉成型を可能としました。これらはすべて自社開発したホットチャンバー式アルミダイカストマシンにより実現しました。高い放熱性が必要なパワー半導体デバイスなどへの適用をはじめ、従来切削でしか加工できなかったハイテク関連機器の外装部品などへの応用も模索されています。 |
ドローン: 密閉型モータ、有線給電 |
当社は「ドローン」という名前が世に知れわたる以前から開発に取り組み、2014年12月に千葉大学発のベンチャー自律制御システム研究所と連携して日本初のドローン量産機を製造しました。ドローンは撮影をはじめ、農業、測量、物流、監視、各種分析、災害対応など用途は多岐にわたり、新たなロボット産業の中心的分野といえます。当社は安全性・耐環境性などのメイドインジャパンの品質保証を担保した中型量産機体、大型特殊機体などの製品化に取り組んでいます。また、耐環境性向上を目的として密閉型モータ、長時間航行を目的として有線給電型やエンジン型、安全性向上を目的としてエアバックやパラシュート、フライトレコーダーなどの要素技術の開発にも注力しています。 |